対話型AIが相談に応じるサービスの利用規約:医療との線、緊急時、誤回答、未成年

悩みや体調を打ち明ける対話型のAIは、利用者がAIの返事を専門家の助言のように受け止めたり、危険な入力に提供者が気づくと思い込んだりします。規約の条文で打ち消すだけでなく、機能の説明と画面の表示で伝わる形にします。

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規約には医療ではないと書いているのに、広告では効果や専門性を強調していると、広告の表示が不当な表示として問題になります。

このページの要点

  • 「医療ではない」は、サービスが何をして何をしないかの説明として書き、広告・画面・規約を同じ線に揃える。
  • 緊急時の監視・検知・通報をしないことは、サービス内容の定めとして書く。検知や案内の仕組みがあるなら、記載を実態に合わせる。
  • 誤回答は全部免責にせず、故意・重過失を除く上限の形にする。人の確認の範囲は、時点と対象を限定して書く。
  • 未成年は法定代理人の同意を前提にし、連帯責任の書き方は避ける。会話履歴は要配慮個人情報を含み得るため、取得の同意・保存・削除を決める。

結論:「医療ではない」「監視しない」「間違うことがある」を、機能の説明と一緒に書く

悩みや体調について、対話型のAIが相談に乗るサービスは、利用者が不安や弱さを抱えた状態で入力することが多く、一般のAIサービスより、規約の書き方が結果を左右します。相手は、気軽な話し相手のつもりで使っていても、AIの返事を医師や専門家の助言のように受け止めてしまうことがあります。また、深刻な内容が入力されたとき、提供者が気づいて対処してくれると思い込む人もいます。これらの思い込みを、規約の条文で打ち消すだけでなく、サービスの機能の説明と画面の表示で、利用者に伝わる形にしておく必要があります。

  • 「医療ではない」は、規約の免責の一行ではなく、サービスが何をして何をしないのかの説明として書く。広告や画面の表示も、同じ線に揃える。
  • 緊急時に、提供者が入力を監視・検知・通報する義務を負わないことは、責任の免除としてではなく、提供するサービスの内容の定めとして書く。実際に検知の仕組みがあるなら、記載と合わせる。
  • 誤回答や不適切な表現の責任は、全部免責にしない。故意・重大な過失を除く上限の形にし、人が確認する範囲があるなら、その範囲を書く。
  • 未成年や制限行為能力者の利用は、法定代理人の同意を前提にし、同意がなかった場合の取扱いを決める。
  • 会話の履歴は、病歴などの要配慮個人情報を含み得る。取得の同意、保存期間、削除、研究や改善への利用を、個別に決める。
  • AIであることを表示し、キャラクターの応答が人の応対と誤認されないようにする。

一般的なAIサービスの免責や責任の上限は個人向けと法人向けのページで、会話データの保存と削除は録音・通話AIのページで整理しています。このページは、悩みや健康の相談という場面に特有の論点に絞ります。

「医療ではない」を、機能の説明と一緒に書く

医師法17条は、「医師でなければ、医業をなしてはならない」と定めています。AIの相談サービスの規約に「医療行為ではありません」と書かれることが多いのは、この規定を意識してのことです。ただし、規約に書いたから医療ではなくなるわけではありません。実際の機能、画面上の表現、広告の文言が、診断や治療に近いものであれば、規約の一行で打ち消すことはできません。医業に当たるかどうかは、機能の内容や運用ごとに、条文と所管官庁の資料で確認が必要です。

そのため、規約では、サービスが何をするのかを肯定的に説明し、そのうえで、しないことを書きます。何をするかは、情報の提供、気づきの支援、記録の整理、一般的なセルフケアの紹介などです。しないことは、診断、治療方針の決定、薬の指示、専門家の判断の代替です。この説明を、規約だけでなく、最初の画面、入力画面の近く、応答の中の定型の注意書きに繰り返し置くことが、実際の利用者への伝わり方として重要です。

条文例サービスの性質に関する条文例

  1. 本サービスは、AIが生成する情報の提供を通じて、利用者の自己理解や気持ちの整理を支援することを目的とする。
  2. 本サービスは、医療行為、診断、治療、投薬の指示、その他医師その他の専門家が行う行為を行うものではなく、これらの代替となるものでもない。利用者は、体調や心身の状態について不安がある場合、本サービスの出力のみに基づいて判断せず、医療機関や公的な相談窓口の利用を検討する。
  3. 当社は、本サービスの出力が利用者の状況に適合することを保証しない。

第2項後半の「相談する」という書き方は、利用者への案内であって、提供者がその専門家を紹介したり、その専門家の業務を引き受けたりする意味ではありません。案内の文言に、特定の機関名を挙げるかどうかは、情報の更新が必要になるため運用とあわせて決めます。

書き方の例(一般的な例) 医療との線の書き方

機能の説明

よくある書き方「本サービスは医療行為ではない。」の一文のみ。
整えた書き方「本サービスは、気持ちの整理や情報の提供を目的とするAIとの対話であり、診断、治療、薬の指示は行いません。」と、機能の説明の中に置く。

理由何をするサービスかが先に分かると、「しないこと」の記載が機能と結びつく。一文だけの否認は、実態との差が目立つ。

広告との整合

よくある書き方広告では「不調を改善」「専門家レベルの助言」と表示し、規約では医療ではないと書く。
整えた書き方広告の表示も、気持ちの整理や情報提供という機能の範囲に揃える。効果や専門性を強調する表現は避ける。

理由景品表示法5条は、実際より著しく優良であると示す表示などを禁じている。広告と規約で水準が違うと、広告が問題になる。

緊急時:監視・検知・通報の義務を負わないことと、案内の置き方

悩みを打ち明ける対話型のサービスでは、利用者が、自分を傷つける内容や、差し迫った危険を入力する場面が想定されます。このとき、提供者が気づいて何かしてくれると期待されることがあります。規約では、提供者が入力内容を常時監視せず、危険を検知する義務も、本人や関係機関へ通報する義務も負わないことを書くのが一般的です。

この書き方は、法的には、提供者の責任を免除する条項というより、サービスの内容を定める条項です。提供するサービスは、AIとの対話であり、緊急対応の体制を持たない、という範囲を最初に明らかにしています。ただし、実際には検知の仕組みを持っているのに、規約で「検知しない」と書くと、事実と合いません。サービスの設計と規約の記載が一致しているかが、最も重要な点です。

緊急時の設計の三つの型と、規約に書くこと

型仕組み規約に書くこと整合の確認
何もしない入力内容は処理するが、特別な反応はしない。緊急の対応体制を持たないこと、監視・検知・通報をしないこと。画面の常設の注意書きに、急を要する場合は救急や公的な相談窓口を利用するよう記載する。実際に特定の語を拾って反応する機能がないこと。
案内の表示のみ特定の語や内容に反応して、相談窓口の案内を画面に出す。案内は支援の一つであり、危険の検知や対処を約束するものではないこと。案内が出ない場合があること。案内の表示が出ない入力があり得ること、案内の内容が最新であること。
検知して人が対応危険な内容を検知して、運営の担当者が確認・連絡する。対応体制の範囲(時間帯、連絡の方法、対象)と、対応できない場合があること。体制がある以上、約束した範囲の対応が運用で実行できること。別の規約や契約が要る場合がある。

案内する窓口の書き方も、決めておく項目です。特定の機関名や電話番号を載せると、変更があったときに更新が必要です。更新を怠ると、誤った情報を案内したことになります。「救急の場合は119番」「お住まいの地域の公的な相談窓口」のような、変わりにくい書き方にとどめるか、機関名を載せて更新の担当を決めるかを、運用の体制とあわせて選びます。

提供者が義務を負わないと書く場合でも、故意または重大な過失による場合の責任を免除することはできません。消費者が利用するサービスでは、消費者契約法8条1項が、債務不履行による責任の全部を免除する条項や、故意・重過失の場合の責任の一部を免除する条項を、無効としています。緊急時の条項でも、「一切の責任を負わない」という書き方は避けます。

誤回答・不適切な表現:責任の書き方と、人の確認が入る範囲

AIの回答は、誤ることがあります。相談の場面で誤回答が深刻なのは、利用者がその内容を、自分の状況に当てはめて受け取るためです。不適切な表現(差別的な言葉、否定的な決めつけ、危険を助長するような応答)も、起こり得ます。

規約には、回答の正確性・適合性を保証しないこと、最終的な判断は利用者が行うこと、を書きます。しかし、これだけでは、相談の場面では足りません。次の三つを加えて考えます。第一に、責任の上限を置くときは、故意・重大な過失を除くことを明記します。第二に、不適切な表現を減らす取組(フィルタ、禁止ワードの設定、報告窓口)があるなら、その取組を書き、不適切な表現が出ない保証はしないことを書きます。第三に、人が確認する範囲があるなら、その範囲を書きます。たとえば、運営者が回答のテンプレートを事前に確認している、通報があった応答を人が見直す、といった工程です。

人の確認を書く場合は、その範囲を過大に読まれないようにします。「当社が確認している」とだけ書くと、利用者は、すべての応答を人が見ていると受け止めます。確認の対象は、事前に設計した部分だけで、リアルタイムの応答は含まれないなら、その旨を明記します。

書き方の例(一般的な例) 誤回答・不適切な表現の書き方

責任

よくある書き方「本サービスの出力により生じた損害について、当社は一切責任を負わない。」
整えた書き方「当社は、出力の正確性、適合性を保証しない。当社に故意または重大な過失がある場合を除き、当社の責任は、直近の○か月に利用者が支払った利用料金(無償の場合は○円)を上限とする。」

理由全部免責は、消費者が利用する場合に8条1項の対象になる。上限の形にして、故意・重過失を除くと、条項として成り立ちやすい。

人の確認

よくある書き方「当社は、回答の内容を確認している。」
整えた書き方「当社は、あらかじめ設計した回答の方針および禁止表現の設定を確認しています。AIの個々の応答を、リアルタイムに確認することはありません。」

理由確認の範囲を広く書くと、利用者の期待が高まり、実際との差が責任の問題になる。確認の時点と対象を限定して書く。

誤回答や不適切な表現について、利用者から申出があったときの受け方も、規約の外側で決めておきます。申出の窓口、受け付けた応答の確認、再発防止の対応、利用者への返答の方針です。申出に対して、提供者が事実と異なる説明をすると、問題が大きくなります。受け方の整理はトラブル・FAQのページで扱います。有料の継続課金で提供している場合は、解約の導線が分かりにくいと、心身の状態が不安定な利用者との間で争いになりやすいため、解約の方法を画面で分かりやすく示します。課金の単位や更新の書き方は課金設計のページで扱います。

確認の問いと理由誤回答に備えるための問い

  1. 不適切な表現が出たとき、利用者が報告できる窓口があるか。

    報告を受けて改善する仕組みが、不適切な表現が出る可能性を前提にした運営の姿勢を示す。規約には、窓口と対応の方針を書く。

  2. 回答に、断定的な表現が出ないよう設計しているか。

    「必ず」「絶対」といった断定は、誤回答の被害を大きくする。設計の方針を、規約の説明に反映できる。

  3. 人が確認する工程があるなら、その範囲を正確に説明できるか。

    範囲を大きく書くと期待が高まる。事前の設計の確認と、個々の応答の確認を区別する。

未成年・制限行為能力者の利用:法定代理人の同意と、その限界

悩みを相談するサービスは、若年層の利用が想定されます。民法5条1項は、未成年者が法律行為をするには、その法定代理人(親権者など)の同意を得なければならないと定め、2項は、同意を得ない法律行為を取り消すことができると定めています。サービスの利用契約も、法律行為です。有料のプランに未成年者が自分で申し込んだ場合、法定代理人の同意がなければ、取り消される可能性があります。

規約には、未成年者は法定代理人の同意を得て利用すること、同意の取得は利用者の責任であることを書くのが一般的です。しかし、画面上でのクリックだけでは、同意の有無を確認できません。確認の程度は、サービスの性質に応じて決めます。年齢の入力を求める、有料プランの申込みで法定代理人の同意の確認を取る、一定の年齢未満は利用不可とする、といった選択肢があります。

また、規約に「未成年者が同意なく利用した場合、その未成年者と法定代理人が連帯して責任を負う」と書く例があります。法定代理人は、利用契約の当事者ではないため、規約で当然に義務を課すことはできません。契約の当事者でない人に義務を負わせる書き方は、効力に疑問があります。法定代理人の同意を得たことを表明させる、同意を得ていなかった場合には提供者が契約を解約できる、といった形に改めます。

条文例未成年者の利用に関する条文例

  1. 未成年者は、親権者その他の法定代理人の同意を得たうえで、本サービスを利用するものとする。
  2. 未成年者の利用者は、本サービスの利用の申込みにあたり、法定代理人の同意を得ていることを表明する。当社は、法定代理人の同意がないことが判明した場合、本サービスの利用を停止し、または契約を解約することができる。
  3. 法定代理人は、未成年者が本サービスを利用する場合、本サービスの性質および本規約の内容を確認し、利用の状況に配慮する。

第3項は、法定代理人に義務を課す形ではなく、利用にあたって確認してもらうことを求める形です。同意の確認の方法は、サービスの設計で異なります。

成年に達していても、判断能力が十分でない人(制限行為能力者)の利用もあり得ます。相談型のサービスでは、利用者の心身の状態が不安定な場合があるため、利用の条件に、利用者が自分の意思で利用を判断できる状態にあることを求める記載を入れるかどうかも、検討する点です。

会話の履歴:要配慮個人情報を含み得ることを前提に決める

相談の内容には、病歴、心身の不調、服薬、家族の事情など、本人が他人に知られたくない情報が含まれます。個人情報保護法2条3項は、要配慮個人情報を、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴などが含まれる個人情報と定めています。20条2項により、あらかじめ本人の同意を得ないで要配慮個人情報を取得してはならないのが原則です。

入力された内容に病歴が含まれるかどうかは、利用者が何を書くかによるため、提供者が事前に判別することはできません。しかし、相談型のサービスは、要配慮個人情報が含まれることを、あらかじめ想定できます。そのため、入力画面か最初の同意の画面で、要配慮個人情報が含まれ得る旨を示して、取得に同意を得る設計にするのが現実的です。

会話履歴の取扱いで決めること

項目条文・考え方決めること
取得の同意個人情報保護法20条2項要配慮個人情報を含み得る旨を示し、同意を取る画面を設ける。規約への同意とは別に、同意の画面を置くことも考える。
利用目的17条、21条サービスの提供、応答の改善、不正利用の防止などを分けて特定し、通知または公表する。
目的外の利用18条1項研究や改善など、当初の目的を超える利用は、あらかじめ本人の同意が必要。18条3項5号の学術研究に関する例外は、学術研究機関等に当たる場合に限られるため、一般の事業者が当然に使えるとは限らない。
保存と削除22条、35条保存期間を決め、利用者が履歴を削除できるようにする。削除の範囲(バックアップを含むか)を書く。
外部のAI・外国25条、27条、28条会話を外部のAIに送る場合の位置づけを書く。外国の事業者に送るなら、同意の取り方を決める。
開示の請求33条利用者本人の履歴の開示の請求を受ける窓口を設ける。

条文例会話履歴に関する条文例

  1. 利用者は、本サービスにおける対話の内容に、病歴、心身の状態その他の要配慮個人情報が含まれる場合があることを理解し、当社がこれらの情報を、第○条に定める利用目的の範囲で取り扱うことに同意する。同意しない場合は、そのような情報の入力を控えるものとする。
  2. 当社は、対話の履歴を、利用者が削除するまで、または契約の終了から○日が経過するまで保存する。利用者は、履歴を、本サービス上の操作により削除することができる。
  3. 当社は、対話の履歴を、第○条に定める利用目的の範囲を超えて、研究その他の目的に用いる場合、あらかじめ利用者の同意を得る。

「同意しない場合は入力を控える」という書き方は、同意を取るための補助であって、同意の取得を免れる趣旨ではありません。同意の取得の方法は、画面の設計と一体で決めます。

AIであることの表示と、キャラクターによる誤認

相談型のサービスでは、AIの応答に、人の名前や性格を持たせたキャラクターを使うことがあります。親しみやすさは利用の継続につながりますが、利用者が、人が応対していると受け止める可能性や、特定の専門家が助言していると受け止める可能性が生じます。

規約と画面では、応答がAIによって自動的に生成されることを、利用者が見て分かる形で示します。キャラクターの名前や設定は、実在の人物や専門家を意味しないことも明記します。「先生」「カウンセラー」「専門家」といった呼称をキャラクターに付ける場合は、実在の資格や専門性があると誤認されないよう、特に慎重に扱います。

広告の表示も同じです。景品表示法5条は、事業者が、自己の供給する商品や役務の取引について、品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し実際のものよりも著しく優良であると示す表示などをしてはならないと定めています。AIの応答を人が行っているかのように示す広告や、特定の専門家の監修があるかのような表示は、実際と異なる場合、この規定の点検の対象になり得ます。

書き方の例(一般的な例) AIであることの表示の書き方

表示

よくある書き方利用規約の第○条に、小さく「本サービスはAIによる自動応答です」とのみ記載する。
整えた書き方最初の画面と、対話の画面の常設の位置に、「AIが自動で生成する応答です」と表示する。規約にも、キャラクターの設定は実在の人物ではない旨を書く。

理由規約の一文だけでは、対話中の利用者に伝わらない。画面での表示と規約の記載を重ねることで、誤認の余地を減らす。

肩書き

よくある書き方キャラクターに「○○先生」「カウンセラー」の呼称を付け、肩書きの説明がない。
整えた書き方呼称を使うなら、実在の資格を意味しないことを併記する。資格を連想させる呼称は避ける。

理由資格や専門性があると誤認される表示は、広告の観点からも、規約の免責の観点からも問題を生じる。

外部のAIに応答の生成を任せている場合は、キャラクターの応答が外部の事業者のモデルの出力であること、その変更によって応答の性格が変わることがあることも、利用者に伝えておく事項です。外部のAIに依存するサービスの規約は外部AI依存のページで扱います。

起きがちなこと:規約は整っているのに、画面と運用が追いついていない

相談型AIで起きがちな場面

広告が「専門家並み」と示している

起きがちなこと規約には医療ではないと書いているが、広告やLPでは効果や専門性を強調している。広告の表示が、不当な表示として指摘される。

先に決めておくこと広告の表現を、規約と同じ水準の機能の説明に揃える。公開前に照合する。

緊急の入力があったが、何も起きなかった

起きがちなこと利用者が危険を示す内容を入力したが、提供者は監視しておらず、応答は通常どおりだった。後に、対応を期待していたと主張される。

先に決めておくこと緊急の対応体制を持たない旨を、規約と画面の常設の注意書きの両方に置く。検知機能を持たない設計か、確認する。

「当社が確認している」を信頼される

起きがちなこと運営者が事前に設計していた部分のみの確認だったが、利用者は、すべての応答を人が見ていると受け止めた。

先に決めておくこと確認の範囲と時点を限定して書く。リアルタイムの応答は確認の対象外であることを書く。

未成年者が有料プランに申し込む

起きがちなこと法定代理人の同意なく有料プランに申し込んだ。保護者が取消しを主張する。

先に決めておくこと申込みの時点で、同意の確認の仕組みを置く。取消しがあった場合の扱いを決めておく。

履歴の削除を求められた

起きがちなこと利用者が履歴の削除を求めたが、画面の操作では一部しか消えず、バックアップが残っていた。

先に決めておくこと削除の範囲とバックアップの消去の猶予を規約に書き、画面の操作と一致させる。

相談型AIを出す前の確認リスト

  • サービスが何をして何をしないのかを、機能の説明として書き、広告・画面・規約で同じ線に揃えた。
  • 緊急時の設計(何もしない/案内のみ/検知して対応)を決め、規約の記載を実際の仕組みと一致させた。
  • 誤回答・不適切な表現の責任を、全部免責ではなく、故意・重過失を除く上限の形にした。
  • 人の確認がある場合、確認の範囲と時点を限定して書いた。
  • 未成年の利用と法定代理人の同意の確認方法を決め、連帯責任の書き方になっていない。
  • 会話履歴について、要配慮個人情報を含み得る旨の同意、保存期間、削除、目的外利用の同意を決めた。
  • AIであること、キャラクターが実在の人物でないことを、画面に常設で表示している。

よくあるご質問

規約に「医療行為ではない」と書けば、医師法の問題はなくなりますか。

なりません。医師法17条は、医師でなければ医業をなしてはならないと定めています。医業に当たるかどうかは、サービスの実際の機能、画面の表現、広告の内容で変わります。規約の一文で打ち消せるものではなく、機能の説明と広告を同じ線に揃えることが前提です。個別の機能がこの規定に当たるかは、条文と所管官庁の資料で確認が必要です。

緊急時に通報する義務はないと書いてよいですか。

提供者が入力を監視・検知・通報しないことは、サービスの内容の定めとして書くことができます。ただし、実際に検知や案内の仕組みがあるなら、記載と合わせる必要があります。また、消費者が利用するサービスで、債務不履行の責任の全部を免除する書き方や、故意・重過失の責任を免除する書き方は、消費者契約法8条1項により無効とされます。

AIの誤った回答で利用者が損をした場合、どこまで責任を負いますか。

規約で、出力の正確性を保証しないこと、最終判断は利用者が行うこと、責任の上限を書くのが一般的です。ただし、全部免責は消費者契約では無効で、上限の条項も、故意・重大な過失の場合は適用しない旨を明らかにしていないと無効になる場合があります。個別の事案の責任は、サービスの設計や広告の内容、利用者の確認の状況などで変わります。

未成年者の利用は、禁止すべきですか。

禁止するかどうかは事業の判断です。民法5条により、法定代理人の同意のない未成年者の法律行為は取り消され得ます。利用を認めるなら、法定代理人の同意を前提とし、同意の確認の方法と、同意がなかった場合の扱いを決めます。法定代理人が連帯して責任を負う、といった書き方は、契約の当事者でない人に義務を課す形になり、効力に疑問があります。

相談の履歴を、サービスの改善に使ってよいですか。

利用目的として特定し、通知または公表している範囲であれば、その範囲で使えます(個人情報保護法17条、21条)。当初の目的を超えて使う場合は、あらかじめ本人の同意が必要です(18条1項)。履歴には要配慮個人情報が含まれ得るため、取得の同意(20条2項)とあわせて、改善への利用の可否と、個人を識別できない形に処理する旨を決めます。

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