このページの要点
- 録音の主体を仕組みで確かめ、同意の取得を利用者の義務にするなら、告知機能も提供して、利用者が止められない設計にする。
- 会話の相手の声は個人情報になり得る。利用目的の通知、要配慮個人情報の同意、委託の範囲、外国への提供を、条文ごとに確認する。
- 文字起こし・要約などの派生データは、元の音声と別に権利と提供者の利用範囲を決める。「学習しない」と「改良のための分析」を矛盾させない。
- 保存期間、データ取得期間、削除、バックアップの猶予を運用と一致させる。誤認識は、原音の確認を求める条項と機能をセットにする。
結論:録音の規約は、データの流れ(取得、派生、保存、削除)に沿って書く
会議や商談の録音を文字にして要約するサービス、電話に自動で応対するサービスなど、人の話し声を扱うAIサービスの規約は、一般のアプリの規約と書く順番が違います。扱うデータが、利用者本人のものだけではなく、会話の相手という、契約の外にいる第三者の声や発言を含むためです。しかも、録音した音声は、文字起こしや要約といった別のデータに姿を変えて残ります。誰が録音の主体か、相手の同意は誰が取るか、文字や要約は誰のものか、いつまで残していつ消すかを、取得から削除までの流れに沿って決めていきます。
- 録音の主体と同意の取得は、利用者の責任として規約に書く。提供者は録音や処理の手段を提供する立場に立つ、という整理を、実際の仕組みと合わせて確認する。
- 会話の相手の声や発言は個人情報になり得る(個人情報保護法2条1項1号は、音声も記述等に含めている)。取得の方法、利用目的の通知、要配慮個人情報の取得に際しての同意が、論点になる。
- 文字起こし・要約などの派生データは、元の音声とは別に権利と保存の扱いを決める。「学習に使わない」と約束するなら、品質向上のための分析との関係も書く。
- 保存期間、契約終了後のダウンロード期間、削除(復旧しない旨)を、条項と運用の両方で決める。
- 誤認識・誤要約の免責は、重要な会話で利用者が原音を確認する求めとセットにする。通話AIでは、従量課金と通話履歴の扱いも決める。
このページが扱うのは、会議・商談・打合せ・電話応対といった、会話の記録と処理のサービスです。個人向けか法人向けかによる条項の差は個人向けと法人向けのページ、書類全体の組み立ては全体像のページで扱っています。
データの流れで書く:取得、処理、保存、取り出し、削除
録音を扱うサービスの規約を、条文の並びから作ると、取得の条項と削除の条項が離れ、途中の処理や保存の扱いが抜けます。データがたどる順序を先に図にして、各段階で「誰が何をするか」「誰の責任か」を決めてから、条項に落とします。
録音・会話データのライフサイクル
- 取得:録音・アップロード利用者が録音機能を使うか、録音済みの音声をアップロードする。会話の相手に知らせて同意を得る責任は誰か。通話AIでは、サービスの電話番号で受けた通話を、提供者の仕組みが直接記録する場合もある。
- 処理:文字起こし・要約AIが音声を文字にして、要約や話者ごとの整理を行う。外部のAIの機能を使うなら、音声や文字が外部へ送られる。誤認識や誤要約が生じ得る。
- 派生データの保存音声、文字起こし、要約、タグなどが、サービス上に保存される。派生データの権利と、提供者の利用範囲、保存期間を決める。
- 取り出し:ダウンロード・共有利用者がデータを書き出す、他の人に共有する。共有先に会話の相手の情報が含まれる。共有の責任と、リンクの有効期間を決める。
- 終了と削除利用者が解約する、提供者がサービスを終了する、利用者が個別に削除する。削除の時期、バックアップ上の扱い、復旧しない旨を決める。
各段階で、「提供者が責任を負う範囲」と「利用者が責任を負う範囲」を分けて書きます。段階をまたぐ事項(たとえば学習への利用)は、どの段階の話かを明示します。
データの流れを決めるうえで、最初に整理するのが提供者の立場です。利用者のために音声を処理するだけなら、提供者は利用者から個人データの取扱いの委託を受けた立場にあり、個人情報保護法25条により、委託元の利用者が提供者を監督する関係になります。一方、提供者が自分の目的(サービスの改良や学習)のために音声を使うなら、提供者は自ら個人情報を取り扱う立場にもなり、その場面の取扱いは、利用者からの委託とは別の問題になります。立場が混ざると、規約のどこで誰の責任を書いているのかが読み取れなくなります。
録音の主体と、会話の相手の同意:誰が取るのかを、仕組みと一緒に書く
録音を扱う規約には、「対話の相手の同意を得ずに録音データを取得・記録・アップロードしてはならない」という禁止事項が置かれることが多くあります。この書き方は方向として妥当ですが、禁止事項に書くだけでは、同意を取る責任が利用者にあることの根拠として足りません。仕組みの側から、誰が録音の主体になるのかを確かめる必要があります。
典型は二つに分かれます。一つは、利用者が自分の端末やアカウントで録音を開始し、提供者はその音声を受け取って処理する形です。録音の主体は利用者で、提供者は処理の手段を提供する立場です。もう一つは、利用者が会議に提供者のボットを参加させる、または提供者が用意した電話番号に通話が入る形です。ここでは、録音を実際に行うのは提供者のシステムになります。後者のとき、「提供者は録音の主体ではない」と書いても、仕組みの実態と合わないため、規約の文言が実態から離れます。
法律面では、個人情報保護法は録音そのものを許可制にしているわけではありませんが、音声が特定の個人を識別できる場合は個人情報に当たり(2条1項1号)、偽りその他不正の手段による取得は20条1項で禁じられています。会話の相手に知らせずに声を取得することが、この規定に触れないかどうかは、取得の目的や態様で変わるため、規約では、利用者が相手に録音することを知らせ、同意を得ることを、義務として明記するのが実務的です。
条文例録音・会話データに関する利用者の義務(条文例)
- 利用者は、本サービスを用いて会話、通話その他の音声を録音し、またはアップロードする場合、事前に会話の相手方に対し、録音すること、およびその音声が文字起こし・要約その他の処理のために当社の提供する本サービスを通じて処理されることを告知し、必要な同意を得なければならない。
- 前項の告知および同意の取得は、利用者の責任において行うものとし、利用者は、相手方からの苦情、請求その他の紛争が生じた場合、自己の責任と費用でこれを解決する。ただし、当社の責めに帰すべき事由による場合を除く。
- 当社が本サービスの機能として、録音の開始時に相手方へ告知を行う機能(以下「告知機能」という。)を提供する場合、利用者は、告知機能を無効にしてはならず、告知の文言を相手方に誤解を与えるものに変更してはならない。
第3項は、提供者のボットや電話番号が録音する仕組みのときに効きます。告知機能を利用者が止められる設計のままだと、同意の取得を利用者の責任と書いても、実態として提供者の仕組みが無断で録音したことになりかねません。
書き方の例(一般的な例) 同意取得の書き方
責任の置き方
理由禁止事項に書くだけでは、同意を取る行為と、取るための手段が結びつかない。手段を示すと、責任の線が見えやすい。
提供者の立場
理由「一切の責任を負わない」は、消費者が利用する場合に無効とされる類型(消費者契約法8条)に近づく。責任の範囲を限定する書き方に改める。
会話の相手の個人情報:取得、利用目的、要配慮、委託、外国
会話の相手は、サービスの利用者ではないため、規約に同意していません。それでも、その人の声や発言は、サービスの中で処理されます。個人情報保護法の視点で、論点を整理します。
会話の相手の個人情報に関する論点と条文
| 場面 | 条文 | 確認すること | 規約・ポリシーでの書き方 |
|---|---|---|---|
| 利用目的の特定 | 17条1項 | 会話を取得する目的(議事録の作成、要約、品質向上など)を、できる限り特定しているか。 | 利用目的を、サービスの提供と、それ以外(品質向上など)に分けて列挙する。 |
| 取得時の通知・公表 | 21条1項 | 取得したときに、利用目的を本人へ通知または公表しているか。 | 会話の相手への告知で、録音と目的を伝える。公表が必要な目的はポリシーに載せる。 |
| 要配慮個人情報 | 2条3項、20条2項 | 会話に病歴などが含まれ得る。取得にあらかじめ本人の同意を要するか。 | 要配慮個人情報を含み得る用途では、同意の取得を利用者に求める条項を置く。 |
| 委託・安全管理 | 23条、25条 | 外部のAIや保管の事業者に処理を委託する場合の、安全管理と監督。 | 委託先に処理させる旨と、監督の体制を示す。 |
| 第三者への提供 | 27条 | 提供者が自己の目的で使うために、利用者から音声の提供を受けるときの位置づけ。 | 委託の範囲を超える利用がないか確認する。超えるなら、その旨と同意の取り方を決める。 |
| 外国への提供 | 28条 | 外部のAIが外国の事業者である場合の、本人の同意など。 | 外国にある事業者へ個人データを提供する旨と、同意の取り方を決める。 |
ここで注意したいのは、27条5項1号です。個人データの取扱いの全部または一部を、利用目的の達成に必要な範囲内で委託することに伴って提供される場合、提供を受ける者は第三者に当たらないとされています。つまり、提供者が利用者のために処理をするだけなら、利用者から提供者への音声の受渡しは、第三者提供の同意を要しません。しかし、提供者が自らのサービス改良や学習のために音声を使うとなると、その利用は「利用目的の達成に必要な範囲内」の委託と言えなくなるおそれがあります。提供者の自己目的の利用を、規約に書くだけでなく、会話の相手との関係でどう整理するかを、あらかじめ決めておくことが必要です。
また、要配慮個人情報(2条3項。病歴などが含まれます)は、20条2項により、原則としてあらかじめ本人の同意を得ないで取得してはなりません。録音の対象が、医療や相談に近い会話を含み得るなら、同意の取得を利用者の義務にするだけでなく、そのような会話での利用を想定していない旨を規約で明示することも考えます。
外部のAIを使って文字起こしをする構成なら、音声や文字が外部の事業者へ送られます。これが外国の事業者であれば、28条の規律が問題になります。外部のAIに依存するサービスの規約全般は、外部AI依存のページで扱います。
文字起こし・要約などの派生データ:権利と、提供者の利用範囲
録音データから生まれる文字起こしや要約は、元の音声とは別のデータです。これらを規約でどう位置づけるかは、サービスの設計の核心になります。
権利の面では、規約で「利用者コンテンツ」(音声や、利用者が入力したテキスト)と「出力データ」(文字起こしや要約など、AIが生成した内容)を分けて定義し、それぞれについて、帰属と利用の範囲を書きます。会話の発言が著作物に当たるかどうかは、個別の発言の創作性で変わります(著作権法2条1項1号)。規約で書けるのは、提供者は出力データの権利を主張しない、利用者が自由に利用できる、といった当事者間の取り決めです。
提供者の利用範囲も、段階を分けて決めます。サービスの提供に必要な範囲の利用(処理、保存、表示)、サービスの運営に必要な範囲の利用(障害の調査、不正利用の防止)、品質向上や学習のための利用の三つです。このうち三つ目をどう扱うかで、規約は大きく三つに分かれます。
学習・品質向上への利用の三つの型
| 型 | 書き方 | 利点 | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| 利用しない | 入力された音声・文字・出力データを、AIモデルの学習に用いない。 | 利用者に説明しやすく、法人の導入で選ばれやすい。 | 約束した以上、品質向上のための分析との線引きも書く。外部のAIの側でも学習に使われない条件になっているか確認する。 |
| 条件付きで利用する | 個人を識別できない形に処理したうえで、品質向上に用いる。利用者が望まない場合は除外できる。 | 改善が進む。利用者に選択肢を与えられる。 | 処理の方法と除外の手続を具体的に書く。除外の設定が実際に機能するか確認する。 |
| 何も書かない | 学習への利用について、規約で触れない。 | 規約が短くなる。 | 利用者は「使わない」と受け止める。後から使うと、約束との食い違いが争いになる。 |
書き方の例(一般的な例) 学習・分析の書き方
約束と例外
理由「学習しない」と「改良のために分析する」が矛盾して読まれる。どの目的が許され、どの目的が許されないのかを、一文の中で区別する。
外部への送信
理由処理を外部に頼る事実を書かずに、第三者への提供をしないと言うと、事実と食い違う。委託として説明できる範囲かも確かめる。
保存期間、ダウンロード、削除:復旧しない旨まで決める
録音を扱うサービスで、最も揉めやすいのは、データがいつ消えるのかです。利用者は、契約を解約した後も、会議の記録を手元に残したいと考えます。一方、提供者は、会話の相手の個人情報を、必要以上に保管したくありません。個人情報保護法22条は、個人データを利用する必要がなくなったときは遅滞なく消去するよう努めると定めており、保存期間の長さは、この規定の観点からも決める必要があります。
条文例保存・ダウンロード・削除の条文例
- 当社は、利用者の契約期間中、利用者コンテンツおよび出力データを、本サービスの提供に必要な範囲で保存する。保存期間の上限は、利用者が選択したプランに定めるとおりとする。
- 契約が終了した場合、当社は、終了日から○日間(以下「データ取得期間」という。)、利用者が利用者コンテンツおよび出力データをダウンロードできるようにする。
- 当社は、データ取得期間の経過後、利用者コンテンツおよび出力データを削除する。削除後は、当社は、これらを復旧することができず、復旧の責任を負わない。
- 前項の削除は、当社の保存装置から行うものとし、バックアップに含まれる分は、○日以内に消去する。利用者が個別にデータを削除した場合も、同様とする。
データ取得期間と、バックアップの消去までの猶予は、運用と一致している必要があります。猶予の期間を長く書いて、実際には短く削除してしまうと、利用者が取り出す機会を失う食い違いが生じます。
削除に関わる場面と決めておくこと
| 場面 | 決めること | 運用との照合 |
|---|---|---|
| 利用者の解約 | データ取得期間、削除の時期、復旧しない旨。 | 削除の処理が、実際に取得期間の経過後に動くか。 |
| 利用者による個別の削除 | 削除の範囲(音声のみか、文字起こしや要約も含むか)、バックアップの扱い。 | 画面の操作で、派生データまで消えるか。 |
| 会話の相手からの削除の申出 | 申出の受付窓口と、利用者への連絡、削除の範囲。 | 個人情報保護法の開示・利用停止等の請求(33条、35条)に対応できる体制か。 |
| サービスの終了 | 終了の予告期間、データ取得期間、削除の時期。 | 終了時に、利用者へ取り出しの機会を与えられるか。 |
共有機能がある場合は、取り出しの段階の扱いも書きます。文字起こしや要約を、リンクで他の人に見せられる設計なら、リンクを知っている人なら誰でも閲覧できるのか、閲覧できる人を限定するのか、リンクの有効期間は何日か、契約を終了したらリンクはどうなるのか。共有先の人は会話の相手とは限りませんが、共有された内容には会話の相手の発言が含まれます。共有した利用者の責任と、共有の仕組みを設計した提供者の責任の線を、規約で分けておきます。共有リンクが検索で見つかる状態になると、会話の内容が意図せず広がるため、公開範囲の初期設定は、限定された状態にしておく方が安全です。
会話の相手が、自分の発言の削除を求めてくる場面もあります。個人情報保護法は、本人が識別される保有個人データについて、開示(33条)、利用停止等(35条)の請求を認めています。保有個人データとして誰が保有しているかは、立場で変わりますが、受付窓口を決めておかないと、申出が利用者と提供者の間でたらい回しになります。申出の受け方の整理は、トラブル・FAQのページで扱います。
誤認識・誤要約の免責と、通話AIの従量課金・通話履歴
音声認識は、固有名詞、数字、専門用語、複数人の同時発言で誤りやすく、要約は、重要な発言を省いたり、話者を取り違えたりすることがあります。規約では、完全な正確性を保証しないことを書きますが、免責だけでは足りません。重要な会話(契約の条件、金額、約束事、期限)では、利用者が原音や全文を確認することを求める条項と、確認のための機能(音声と文字の対応表示、全文表示)をセットにします。
書き方の例(一般的な例) 誤認識・誤要約の書き方
正確性の免責
理由確認の方法を示すと、免責が「確認機会の提供」とセットで読まれる。個人向けでは、誤りがあり得ることの説明としても機能する。
個人向けに提供するときの免責の限界は、個人向けと法人向けのページで整理しています。
通話AI(電話に自動で応対する、または自動で発信するサービス)では、さらに二つの論点があります。一つは従量課金です。通話の長さ、発信の件数、応対の回数で課金するなら、何を一単位とするか(通話が接続した時点か、切断までか)、端数の扱い、発信しても相手が出なかった場合の扱いを、料金表と規約で決めます。課金の単位の定め方は課金設計のページで扱います。もう一つは通話履歴です。通話の日時、相手、内容、AIの応答を履歴として保存するなら、保存期間、閲覧できる人の範囲、利用者がエクスポートできるかを決めます。履歴には会話の相手の個人情報が含まれるため、前述の削除の整理がそのまま当てはまります。
発信先の電話番号を利用者が用意する型では、発信先の確認や、発信してよい相手かどうかを利用者の責任と書き、発信を拒否された場合の記録と除外の仕組みを提供者が備えるかどうかも決めます。発信先に対する法令の遵守は利用者の責任であることを、規約に書いておきます。
起きがちなこと:仕組みと規約が、データの流れの途中で食い違う
録音・会話データのサービスで起きがちな場面
提供者のボットが会議に入って録音する
起きがちなこと規約は「録音の主体は利用者」と書くが、実際は提供者のボットが録音している。参加者から無断録音の指摘を受ける。
先に決めておくこと告知機能を提供し、利用者が無効にできない設計にする。規約の記載を実際の仕組みに合わせる。
「学習に使わない」と書いたが、分析をしている
起きがちなこと品質向上の目的で音声を分析していた。利用者が、約束と違うと主張する。
先に決めておくこと学習と分析の範囲を、一つの条項の中で区別し、目的ごとに許される利用を書く。
解約後にデータを取り出せない
起きがちなこと解約と同時に、データが削除される運用だった。規約には取得期間が書かれているが、運用と合わない。
先に決めておくこと取得期間の経過後に削除が動く仕組みにし、期間を規約と画面の説明で一致させる。
会話の相手から削除を求められる
起きがちなこと会話の相手が提供者に削除を求めるが、データは利用者のアカウントにあり、窓口が決まっていない。
先に決めておくこと申出の窓口と、利用者への連絡、削除の範囲を決めておく。
要約の誤りで商談の条件を取り違える
起きがちなこと要約に数字の誤りがあり、利用者がそのまま後続の連絡に使った。
先に決めておくこと重要な事項は原音で確認する条項と、確認機能を一緒に置く。
録音・会話データのサービスを出す前の確認リスト
- 録音を行うのが利用者か提供者の仕組みかを、図で確認した。
- 会話の相手への告知と同意の取得方法を、利用者の義務と提供者の機能の両面で決めた。
- 外部のAIに音声や文字を送るかを確認し、規約・ポリシー・画面の説明で同じ事実を書いた。
- 派生データ(文字起こし・要約など)の権利と、提供者の利用範囲を、学習への利用も含めて決めた。
- 保存期間、データ取得期間、削除、バックアップの猶予を、運用と照合した。
- 会話の相手からの開示・削除の申出の窓口を決めた。
よくあるご質問
会話の相手の同意は、誰が取るべきですか。
一般には、録音を開始する利用者の責任として規約に書きます。ただし、提供者のボットが会議に参加して録音する、提供者の電話番号に通話が入るといった仕組みでは、実際に記録するのは提供者のシステムです。この場合は、告知機能を提供し、利用者が止められない設計にするなど、仕組みの側でも告知を担保することを考えます。
録音した音声は、個人情報に当たりますか。
特定の個人を識別できる音声は、個人情報に当たります。個人情報保護法2条1項1号は、個人情報の「記述等」に、音声その他の方法で表された一切の事項を含めています。声そのものや、発言の内容から個人が識別されるなら、取得の目的の通知・公表(21条)などが必要になる場面があります。
文字起こしや要約の権利は、誰のものですか。
規約で、利用者コンテンツ(音声や入力テキスト)と出力データ(文字起こしや要約)を分けて、帰属と利用の範囲を決めます。出力データが著作物に当たるかは個別の事情で変わるため、規約には、提供者は権利を主張しない、利用者が利用できる、という当事者間の取り決めとして書くのが一般的です。
「学習に使わない」と書いたら、品質向上のための分析もできませんか。
書き方次第です。学習と分析を区別し、特定の個人を識別できない統計的な形に処理した情報だけを改善に使う旨を書く方法があります。矛盾して読まれないよう、許される利用と許されない利用を、同じ条項の中で書き分けます。外部のAIの側で学習に使われないかも、あわせて確認します。
契約が終わったあと、データはいつまで保存すべきですか。
法律で一律の期間が決まっているわけではありません。個人情報保護法22条は、利用する必要がなくなった個人データを遅滞なく消去するよう努めることを求めています。契約終了後のダウンロード期間を決め、その経過後に削除し、復旧しない旨を規約に書き、バックアップの消去までの猶予も運用と一致させます。
あわせて読みたいページ
本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、サービスの仕組みや契約の内容によって異なることがあります。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています(最終確認日:2026年10月21日)。参考: e-Gov法令検索 / 個人情報保護委員会 / 消費者庁 / 経済産業省 / 総務省 / 内閣府